凍結肩とは

はっきりしたきっかけがないのに、肩が痛み、動きが硬くなる病気です。正式な病名では「肩関節周囲炎」とも呼ばれます。50歳代に多く、女性にやや多いことが知られています23。

夜中にズキズキと痛み、眠れないほどになることもあります2。肩の病気の中でも、眠りが悪くなりやすいものです4。

似た病気があります

肩の痛みには、凍結肩のほかに、肩の腱が切れる「腱板断裂」など、よく似た症状の病気があります25。

凍結肩(五十肩)と腱板断裂の違い日⁠本⁠整⁠形⁠外⁠科⁠学⁠会の説明から

凍結肩(五十肩)腱板断裂
多い年代50歳代60歳代
きっかけはっきりしないことが多いけががきっかけのことも
夜の痛みあることが多いあることが多い
肩の硬さ硬くなり、
動きが悪くなる
硬くなることは少ない
腕を上げると上がりにくい力が入らないことがある

見分けるには、整形外科での診察が必要です。

出典:日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」「肩腱板断裂」https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/

治療の考え方が違うこともあるので、最初に一度は、整形外科で見分けてもらうことが大切です。

首から来る痛みのこともあります

腕や手がしびれる、首を後ろにそらすと腕まで響く、というときは、肩ではなく首(頚椎)から来ている痛みのことがあります。肩と首の両方が重なっていることもあります6。こんなときも、整形外科に相談してください。

どんな経過をたどるのか

多くは、時間とともに良くなっていきます。ただし、1年から数年かかることがあり、軽い痛みや硬さが残る人もいます78。

「放っておけば必ず元どおりになる」というわけではありません。何もしないでいると、肩の動きがさらに悪くなってしまうこともあります2。

痛みの時期と、動かす時期

痛みが強い時期は、無理に動かさず、肩を休めます2。

痛みが落ち着いてきたら、痛みの範囲で、少しずつ動かしていきましょう。痛みをがまんして強く伸ばす必要はありません9。

家でできる動かし方

壁や机を使って、腕の力を抜いたまま、肩を上げていく運動です。

壁を使う

壁を使う運動の3つの段階:指先を胸の高さで壁につける、指で壁をはうように上へ、無理のない高さまで上げる
壁を使う運動の3つの段階:指先を胸の高さで壁につける、指で壁をはうように上へ、無理のない高さまで上げる
  1. 壁に向かって立ち、指先を胸の高さで壁につけます。
  2. 指で壁をはうように、少しずつ上へ進めます。
  3. 無理のない高さで止め、痛みが強くなりすぎない程度に、胸を壁に近づけます。
  4. ゆっくり下ろします。

机を使う

机を使う運動の3つの段階:机の横に座り手をタオルに置く、体を前に倒して手をすべらせる、さらに前に倒して腕を伸ばす
机を使う運動の3つの段階:机の横に座り手をタオルに置く、体を前に倒して手をすべらせる、さらに前に倒して腕を伸ばす
  1. 机の横に座り、痛い側の手を、たたんだタオルの上に置きます。
  2. 体を前に倒しながら、タオルごと手を前へすべらせます。
  3. 腕の力は抜いたままです。ゆっくり元に戻ります。

どちらも、痛みが強くなるところまでは行いません。

夜の痛みと眠り

寝る姿勢に、決まった正解はありません。楽な姿勢で休んでかまいません。痛み止めは、痛みが強くなってからよりも、早めに飲む方が効果的です。飲み方は、主治医や薬剤師に相談してください。

くわしくは痛みで眠れないときをご覧ください。

治療の選択肢

痛みや硬さが続くときには、いくつかの治療があります。

  • 関節への注射:早い時期の痛みを和らげます10。
  • リハビリ(運動療法):理学療法士と一緒に、肩の動きを取り戻していきます。
  • 麻酔をかけて肩を動かす方法(授動術)や、関節鏡を使った手術:硬さが続くときの選択肢です。

どの治療を選ぶかは、肩の専門医とよく相談してください11。糖尿病などの持病がある方は、治療の前に医師に伝えましょう。

こんなときは受診を

  • けがや転んだあとから、腕が上がらない、力が入らない
  • 熱がある、肩が赤く腫れて熱い、じっとしていても強い痛みが続く
  • 腕や手のしびれ、腕の力が落ちてきた
  • しばらく続けても良くならない、夜に眠れない日が続く